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退職・ブラック企業

残業100時間でも辞められない人へ|仕事を手放せない理由と抜け出すための5ステップ

Career Compass編集部

2026/8/20

6分で読める

残業100時間でも辞められない人へ|仕事を手放せない理由と抜け出すための5ステップ

「毎月100時間近く残業している。でも、会社を辞められない」

「もう限界だと思うのに、退職すると考えると怖くなる」

「自分が辞めたら、チームが回らなくなる気がする」

仕事が明らかに生活を圧迫しているのに、なぜかその環境から離れられない。

そんな状態にいる人は少なくありません。

外から見れば、

そんなに働いているなら辞めればいい

と思われるかもしれません。

しかし、当事者にとってはそれほど単純ではありません。

責任感。

同僚への申し訳なさ。

収入への不安。

転職への恐怖。

ここまで頑張ったのだから、もう少し続ければ報われるかもしれないという期待。

さまざまな感情が重なり、「辞めたいのに辞められない」という状態になります。

重要なのは、その状態を「意思が弱いから」と考えないことです。

長時間労働が続くと、仕事について冷静に考えたり、転職活動のために時間を使ったりする余裕そのものが少なくなります。

この記事では、

なぜ仕事を手放せなくなるのか

を整理したうえで、

現在の環境から抜け出すための5つのステップ

を、人事・組織の視点も交えながら解説します。


結論|最初に必要なのは「退職する勇気」ではなく「選択肢を取り戻すこと」

毎月100時間近い残業が続いている場合、

「辞めるか、続けるか」

を今日決める必要はありません。

むしろ最初にやるべきなのは、

自分で選べる状態を取り戻すこと

です。

例えば、

  • 実際の労働時間を記録する

  • 仕事量を整理する

  • 誰かに現在の状況を共有する

  • 求人を確認する

  • 職務経歴書を作る

  • 生活費を確認する

といったことです。

選択肢がないと感じている状態では、

「会社を辞める=すべてを失う」

ように感じやすくなります。

しかし、

今の会社に残る。

業務量を減らす。

異動する。

休む。

転職する。

働き方を変える。

本来、キャリアには複数の選択肢があります。

まずは、その選択肢を一つずつ取り戻していきましょう。


なぜ残業100時間でも仕事を辞められないのか

1.「自分がいないと仕事が回らない」と思っている

長時間働いている人ほど、組織の中で多くの仕事を抱えていることがあります。

顧客対応。

社内調整。

部下のフォロー。

資料作成。

トラブル対応。

「あの案件は自分しか分からない」

という仕事が増えるほど、

自分が辞めたら周囲に迷惑がかかる

と考えるようになります。

責任感そのものは悪いものではありません。

ただし、一人が長時間働かなければ成立しない状態は、個人だけの問題ではなく、組織設計の問題でもあります。

人員配置、業務分担、仕組み化、マネジメントなど、本来は会社側が考えるべきテーマも含まれています。

人事の視点

「自分が辞めたら会社が回らない」と感じる人ほど、実際には多くの業務を属人化させています。

しかし、組織には誰かが辞めても事業を継続できる仕組みを作る責任があります。

会社を維持する責任まで、一社員が背負う必要はありません。


2.周囲も同じくらい働いている

職場全体で長時間労働が常態化すると、自分の働き方を客観的に見づらくなります。

例えば、

夜22時まで働く。

↓

周囲もまだ働いている。

↓

「普通なのだろう」と思う。

↓

さらに仕事を引き受ける。

という状態です。

環境に慣れると、本来かなり負担の大きい状態でも「いつものこと」に見えてしまいます。

そこで一度、

社内ではなく、社外を基準にして考える

ことが重要です。

同じ職種の求人を見る。

他社で働く友人に聞く。

転職市場を調べる。

第三者へ相談する。

社外の情報に触れることで、現在の働き方を客観視しやすくなります。


3.退職したら収入がなくなるのが怖い

長時間労働でも辞められない大きな理由の一つが、お金です。

特に、

  • 住宅ローン

  • 家賃

  • 子どもの教育費

  • 家族の生活費

  • 各種ローン

など固定費が大きい場合、

「仕事がつらい」

より、

「収入がなくなる方が怖い」

と感じることがあります。

その結果、

辞めたい
↓
でも生活できない
↓
もう少し我慢する

という状態を繰り返します。

ここで重要なのは、感覚だけで考えないことです。

後ほど紹介しますが、

毎月最低いくら必要なのか

を実際に計算してみると、不安の正体が明確になります。


4.転職活動をする時間がない

これは非常に大きな問題です。

毎日朝から夜遅くまで働いていると、

帰宅してから職務経歴書を書く気力がない。

休日は疲れて寝てしまう。

求人を見る時間もない。

面接の日程も調整できない。

という状態になります。

つまり、

忙しすぎるから辞めたいのに、忙しすぎて辞める準備ができない

という構造です。

この状況から抜け出すには、

「転職活動を頑張る」

ではなく、

まず転職活動に使う時間を確保する必要があります。


5.「ここまで頑張ったのだから」と思ってしまう

3年。

5年。

10年。

長く働いてきた会社ほど、離れることに抵抗を感じます。

「ここまで頑張ったのに辞めるのはもったいない」

「あと少し頑張れば昇進するかもしれない」

「このプロジェクトが終わったら楽になる」

と考えます。

しかし、

過去にどれだけ頑張ったかと、これからその会社に残るべきかは別の問題です。

判断するときは、

「ここまで何年働いたか」

ではなく、

これから3年間をここで過ごしたいか

と考えてみましょう。


6.「逃げた」と思われたくない

責任感の強い人ほど、

「辞めたら負け」

「途中で逃げる人だと思われる」

と考えることがあります。

しかし、キャリアにおいて、

環境を変えることと逃げることは同じではありません。

例えば、

成長できる環境へ移る。

働き方を変える。

自分の専門性を活かせる仕事へ移る。

これらも立派な意思決定です。

重要なのは、

「辞めたか」ではなく、「その選択で何を実現しようとしているか」

です。


長時間労働が続いているときに確認してほしいサイン

残業時間の数字だけではなく、生活全体への影響も確認してください。

例えば、

  • 休日も仕事のことを考え続ける

  • 睡眠や食事など生活リズムが大きく崩れている

  • 家族や友人と過ごす時間がほとんどない

  • 趣味や自分の時間がなくなった

  • 仕事以外のことを考える余裕がない

  • 常に疲労を感じている

  • 判断力や集中力が大きく落ちていると感じる

といった変化です。

こうした状態が続いている場合、

「キャリアのためにあと半年頑張る」

だけで考えるのではなく、自分の安全や健康を優先する視点を持つことが重要です。

必要に応じて、勤務先の相談窓口や医療機関など、適切な専門的支援を利用することも検討してください。


人事の視点|100時間残業を「本人の能力不足」だけで説明してはいけない

長時間労働が続くと、

「自分の仕事が遅いから」

「もっと効率化すればいい」

と思うことがあります。

確かに業務効率化が必要なケースもあります。

しかし、人事・組織の視点から見ると、長時間労働には、

  • 人員不足

  • 過剰な目標

  • 業務設計

  • 属人化

  • 管理職の仕事配分

  • 会議の多さ

  • 意思決定プロセス

  • 無駄な承認

  • システム不足

など、組織側の要因もあります。

例えば、チーム5人全員が毎月長時間働いているのであれば、一人ひとりの能力だけが原因とは考えにくいでしょう。

そこで、

「自分がもっと頑張るにはどうすればいいか」ではなく、「この仕事量はそもそも一人で処理できる設計なのか」

という視点も持ってみてください。


残業100時間の環境から抜け出すための5ステップ

ここからは具体的な行動に移ります。

重要なのは、

一気に退職まで進めようとしないこと

です。

5つのステップに分けます。


STEP1|実際の労働時間と仕事量を「見える化」する

最初にやってほしいのは、現在の状況を数字にすることです。

感覚では、

「すごく忙しい」

ですが、

判断材料としては不十分です。

例えば、1〜2週間、

  • 出勤時刻

  • 退勤時刻

  • 休憩時間

  • 自宅で仕事した時間

  • 休日に対応した時間

などを記録します。

そして、仕事についても整理します。

業務

週あたりの時間

本当に自分が必要か

顧客対応

15時間

必要

社内会議

10時間

一部削減可能

資料作成

8時間

一部委任可能

部下フォロー

8時間

必要

定例報告

5時間

自動化検討

その他

10時間

精査

この表を作るだけでも、

「何に時間を使っているのか」

が見えてきます。

ポイント

仕事量を整理するとき、

「全部必要」

と考えないことです。

  • やめられる仕事

  • 減らせる仕事

  • 他人に渡せる仕事

  • 自動化できる仕事

  • 本当に自分しかできない仕事

に分けます。


STEP2|「自分が辞めたら困る」を「引き継げる状態」に変える

辞められない理由が、

「自分しかこの仕事を分からない」

なのであれば、

その状態そのものを変えていきます。

例えば、

  • 業務手順を書く

  • 顧客情報を整理する

  • ファイルの保存場所を統一する

  • 定例業務をリスト化する

  • 他のメンバーと情報共有する

などです。

これは退職するためだけの作業ではありません。

現在の仕事を楽にすることにもつながります。

さらに重要なのは、

「自分しかできない仕事」を減らすことが、マネジメント能力にもなる

ということです。

優秀な人ほど仕事を抱えることがあります。

しかし、上位職になるほど求められるのは、

「自分が全部やる」

ではなく、

「自分がいなくても仕事が回る仕組みを作る」

ことです。


STEP3|会社の中で仕事量を減らす方法を試す

次に、社内で状況を改善できないか考えます。

例えば、

  • 上司に業務量を相談する

  • 優先順位を確認する

  • 期限を調整する

  • 他メンバーへ仕事を移す

  • 不要な会議を削減する

  • 採用や外注を提案する

  • 異動を希望する

などです。

ここでのポイントは、

「忙しいです」だけで相談しない

ことです。

例えば、

現在A・B・Cの業務で週60時間程度必要になっています。このままでは継続が難しいため、Aを優先する場合、BまたはCの期限変更か担当変更を相談したいです。

という形にします。

つまり、

仕事量と選択肢をセットで相談する

ということです。


STEP4|会社の外に「逃げ道」ではなく「選択肢」を作る

ここが非常に重要です。

長時間働いている人ほど、

「この会社を辞めたら終わり」

と感じやすくなります。

そこで、外の情報を取りに行きます。

しかし、いきなり10社へ応募する必要はありません。

最初は、

求人を見るだけ

で構いません。

例えば、同じ職種で、

  • 年収

  • 残業や働き方

  • 仕事内容

  • 必要なスキル

  • 役職

を確認します。

20件ほど求人を見ると、

「自分の経験ならこういう会社にも応募できる」

という感覚が出てきます。

次に、職務経歴書を作ります。

完成度は50%でも構いません。

まず、

  • これまで担当した仕事

  • 成果

  • スキル

  • マネジメント経験

  • プロジェクト経験

を書くだけです。

Career Compass Point

転職活動の目的は、

今すぐ転職することではありません。

「この会社しかない」という状態から、

「ここに残ることも、別の会社へ行くこともできる」

という状態に変えることです。


STEP5|退職できる「現実的な条件」を作る

最後に、お金と時間を整理します。

まず、

毎月最低いくらあれば生活できるか

を確認します。

例えば、

項目

月額

家賃・住宅ローン

120,000円

食費

60,000円

光熱費・通信費

30,000円

教育費

50,000円

保険等

20,000円

その他

40,000円

合計

320,000円

という具合です。

すると、

「収入がなくなったら怖い」

から、

「最低32万円必要」

という具体的な問題になります。

さらに、

  • 貯蓄

  • 有給休暇

  • 賞与時期

  • 転職活動期間

  • 入社可能時期

なども確認します。

数字が見えると、

「辞められない」

から、

「○月なら辞められる」

という計画に変わります。


「今日辞める」ではなく「90日で選べる状態」を作る

いきなり退職することに抵抗があるなら、

90日計画

にしてみましょう。

1〜30日

  • 労働時間を記録

  • 業務量を整理

  • 上司へ相談

  • 職務経歴書を作る

31〜60日

  • 求人を見る

  • キャリア相談を利用

  • 面接できそうな企業を探す

  • 家族と条件を確認

61〜90日

  • 必要なら応募する

  • 条件を比較する

  • 現職に残る場合の改善可能性も再確認

  • 転職・残留を判断

こうすると、

「明日会社を辞める」

という大きな決断ではなく、

「今日は職務経歴書を30分書く」

という小さな行動に変わります。


それでも「忙しすぎて何もできない」人へ

ここまで読んで、

「そんな時間すらない」

と思ったかもしれません。

その場合は、

最初から完璧な転職活動をしない

ことです。

例えば、

月曜日:求人を1件見る。

火曜日:職務経歴書に1行書く。

水曜日:何もしない。

木曜日:転職サービスを1つ調べる。

土曜日:30分だけキャリアを整理する。

これで構いません。

1日10分でも、

90日なら15時間になります。

現在の会社で毎月100時間近く残業しているなら、

そのうちほんの一部でも、「今後の自分のための時間」へ戻すことを考えてみてください。


会社を辞める前にやっておきたいチェックリスト

  • 実際の勤務時間を記録した

  • 自分の業務量を整理した

  • 上司へ仕事量について相談した

  • 減らせる業務を確認した

  • 自分しかできない仕事を減らした

  • 職務経歴書を作り始めた

  • 他社の求人を確認した

  • 現在の市場価値を確認した

  • 毎月必要な生活費を計算した

  • 家族と働き方について話した

  • 現職に残る場合と転職する場合を比較した

全部できるまで辞めてはいけない、という意味ではありません。

自分で判断するための材料を増やすためのリストです。


よくある質問

Q1. 残業が多いだけで会社を辞めてもいいですか?

長時間労働も、会社を選ぶうえで重要な要素です。

重要なのは、「忙しいから嫌」というだけでなく、その状態が一時的なのか、慢性的なのか、会社側に改善する意思があるのかを確認することです。


Q2. 自分が辞めたら同僚に迷惑がかかりませんか?

一時的に引き継ぎ負担が生じることはあります。

しかし、人員配置や事業継続は会社側が担うべき責任でもあります。

できる範囲で引き継ぎを整理することは大切ですが、組織運営のすべてを個人が背負う必要はありません。


Q3. 忙しすぎて転職活動ができません。

最初から応募する必要はありません。

まずは求人を見る、職務経歴書の見出しだけ作るなど、10〜30分で終わる作業から始めてみてください。

面接日程などが必要になった段階で、有給休暇などを含めて時間の確保方法を考えます。


Q4. 会社に相談しても改善されません。

仕事量について具体的に相談し、業務整理や人員配置なども含めて改善を求めても状況が長期間変わらないのであれば、社外の選択肢を具体的に調べる理由になります。


Q5. 年収が高いので辞めるのが怖いです。

高年収の人ほど、この問題は大きくなります。

そこで、「年収を下げたくない」という感情だけではなく、

  • 最低限必要な年収

  • 同じ経験で狙える市場年収

  • 将来の昇給可能性

  • 労働時間

  • キャリアの成長性

をまとめて比較してください。

年収だけを維持しても、働き続けられなければ長期的には意味がありません。


まとめ|仕事を手放すことより「選択肢を失った状態」を放置しない

残業100時間近い働き方が続いているのに辞められない。

そんな状態にいると、

「自分は決断力がない」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、長時間働き続けながら、冷静にキャリアを考え、転職準備まで進めるのは簡単なことではありません。

まず必要なのは、

退職する勇気ではなく、選択肢を取り戻すこと

です。

そのための5ステップを、もう一度整理します。

  1. 労働時間と仕事量を見える化する

  2. 自分しかできない仕事を減らす

  3. 社内で仕事量を減らす方法を試す

  4. 会社の外に選択肢を作る

  5. 退職できる現実的な条件を作る

そして覚えておいてほしいことがあります。

あなたが辞めたら会社が困ることと、あなたが会社を辞めてはいけないことは同じではありません。

組織を継続させることは会社の責任です。

あなたが考えるべきなのは、

「この働き方をあと3年続けたいか」

「この会社で得られるものは何か」

「他の選択肢を知ったうえでも、この会社に残りたいか」

ということです。

転職する。

残る。

異動する。

仕事を減らす。

どの選択でも構いません。

Career Compassが大切にしているのは、

何も選べないから今の会社に残るのではなく、自分で選んで残る状態を作ることです。

今日、退職届を書く必要はありません。

まずは勤務時間をメモする。

求人を1件見る。

職務経歴書を開く。

生活費を計算する。

そのうち一つから始めてください。

小さな行動でも、仕事だけで埋まっていた時間の一部を、自分のキャリアへ取り戻す第一歩になります。

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